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多項定理と11連ガチャ

1回ガチャを回したときに○%で出現する11連ガチャを回したときに、目的のカードが出る確率ってどれぐらいなの?って時々計算したくなることがあります。だいたい単純な余事象の確率計算か二項定理(分布)でどうにかなるのですが、多項定理を使うことがあったのでメモがてらに。

(1) あるカードが1枚以上出る確率
余事象の確率計算を使います。単発(1回)での出現率をa(a<0<1)とすると、n連したときに1枚以上出る確率は、
\[ 1-(1-a)^n\]
(例)虹=0.5% で 11連したときに虹が1枚以上出る確率は?
→ 1-(1-0.005)^11 = 5.36%

(2) あるカードがp枚出る確率
みんな大好き二項定理(分布)を使います。単発での出現率をa、n連ガチャしたときにp枚出る確率は、
\[ _n \mathrm{C} _p a^p (1-a)^{n-p} = \frac{n!}{p!(n-p)!} a^p (1-a)^{n-p}\]
左辺と右辺の変形は、組み合わせの定義から。
(例)虹=0.5% で 11連したときに虹が2枚出る確率は?
→ 11C2 * 0.005^2 * (1-0.005)^9 = 0.13%

(3) あるカードAがp枚、別のカードBがq枚出る確率
ここで多項定理(分布)を使います。カードAの出現率をa、カードBの出現率をb、その他の出現率をc(0 < a,b,c < 1, a+b+c=1)とします。n連したときに出た枚数をそれぞれ、カードAはp枚、カードBはq枚、その他はr枚(p+q+r=n)となる確率は、
\[ \frac{n!}{p! q! r!} a^p b^q c^r\]
特に難しいことはなくて、(2)のカードが1種類の場合の変数が3つになっただけです。カードの種類が4個以上になった場合も同様につなげていきます。
(例)虹=0.5%、金=6% で 11連したときに虹1枚、金2枚出る確率は?
→ 11!/(1!2!8!) * 0.005 * 0.06^2 * 0.935^8 = 0.52%

多項定理が変に思う場合は、c=0、r=0を代入してみます。
\[ \frac{n!}{p! q! r!} a^p b^q c^r = \frac{n!}{p! q! 0!} a^p b^q 0^0\]
厳密にはここで、0の階乗が1であること、0の0乗を1とするという結構大事でめんどくさそうなことを言わないといけませんが、数学の授業じゃないんで特にいいよね。もしこれらを言えるとするなら、この式は(2)の二項定理と同じ式になります。つまり、(2)は(3)の特別な場合ということになります。プログラムを作りたい場合は、わざわざカードの枚数で場合分けせずに、多項定理でポンとやってしまうほうが良いでしょう。

ただし、プログラムを作る場合は「0の0乗」にだけ注意したほうがよさそうです。大半のプログラム言語では0^0=1と定義しているようですが、例えばExcelで「=0^0」と計算すると結果は「#NUM」となります。0を代入してみてちゃんと動くかどうかのデバッグ作業は必要そうですね。

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